2023年12月4日人前で緊張しなくなる方法は人それぞれ
★あがり症は治せる
日本話し方センターのベーシックコースや2日間集中コースを受講されている人の大半は、あがり症の克服、改善を目的としています。
これらのコースでは、話し方のトレーニング方法として、人前で2分間のスピーチを繰り返し行うことを採用しています。
人前で緊張してしまう、という人も、話し方のプロである講師のアドバイスを受けながら、このトレーニングに積極的に取り組んでいただければ、あがり症は確実に改善します。
しかし、何がきっかけで改善するのかは人それぞれです。
ある人にはAということが効果的でしたが、他の人にはBという方法が適切だったりします。
人の話し方や花の特徴が一律でないのと同様、あがり症の治し方も一律ではないのです。
今回はあがり症を克服されたお二人の例をご紹介します。
★あがり症のFさんの例
2日間集中コースに参加されたFさんは、あがると早口になるタイプでした。
人前に出て緊張すると早口になる人はとても多いのですが、Fさんもその一人でした。
コース開始後、最初に人前でスピーチをされた時は、矢継ぎ早に次々と早口で話すため、一つひとつの言葉がハッキリ聞こえず、話を落ち着いて聴くことができませんでした。
また、話の内容も抽象的で聞いていてわかりやすい話ではありませんでした。
講師がアドバイスしながら話をわかりやすくしていきますが、Fさんは慎重な性格でスピーチの内容を納得できるものになるまで、何度も書き直しています。
その原稿作りにかなりの時間をかけていました。
人前で落ち着いて話すためには、早口を治すことが必須です。
早口は声に出してスピーチ練習しないと治りません。
このままではあがり症を治すことができないと思った講師は
「Fさん、別室に行って声に出して話をしながら話をまとめてください」
とアドバイスしました。
Fさんは素直に講師の話を聞いて、声に出して練習しながら原稿をまとめてくれました。
その結果、Fさんは間もなくわかりやすいスピーチにするようになりました。
書いてまとめるよりも話をしながらまとめる方が得意だ、という人は少なくありません。
Fさんはまさにそういうタイプだったのです。
一旦話すことがまとまると自信がついたのでしょう。
練習の後、全員の前でスピーチをした時は、ゆっくりとした口調で堂々と話をされました。
★あがり症のBさんの例
一方、Bさんはあがっていることが、他の人にはわかりにくいタイプでした。
コース開始後、最初のスピーチから、話し方もゆっくりで聞き取りやすく余裕が感じられました。
しかし、本人に話を聞いてみると
「あがって手足が震えていました。とても落ち着いて話すことなんかできません」
とのことでした。
そこで、「声に出して何度も繰り返し練習することであがり症は抑えられますよ」とアドバイスして練習をしてもらいました。
しかし、その後声に出して練習しているのを聞いても余り上手くなった感じがしません。
Bさんに「話している時どんな感じがしますか?」と聞いてみると
「1人で練習していても、やっぱりあがっている感じがして自信が持てません。それに、なかなか話す内容が覚えられなくてメモばかり見てしまいます」
Bさんは見た目には表れないけど、あがっていることを強く意識してしまう、自意識過剰タイプだったのです。
それを受けて講師は
「私にはあがっているようには見えませんでしたよ。自分ではあがっていると思っても人からはそう見えないものです。だから『あがってるけど大丈夫だ』と自分に言い聞かせてください」
「メモは話すこと全てを一字一句書くのではなく、要点だけを書いてください。練習する度に話す言葉が変わるかも知れませんが気にしないでください。言いたいことが伝わればOKですから」
とアドバイスしました。
「他の人からはあがっているように見えない」と言われたBさんは、その言葉に少し安心したそうです。
また、細かい言葉の違いにこだわらずに練習を続けたところ、徐々にスムーズに話せるようになり、リラックスした表情を見せるようになりました。
言葉を一字一句一つ正確に言わねば、という呪縛から解放されたことが大きかったようです。
最後に全員の前で行うスピーチでは、低めのよく響くいい声で、聴き手の心に響くスピーチをしてくれました。
本人もあがっている感じはほとんどしなくなったとのことでした。
★話し方のプロのアドバイスを受けながら、あがり症を治しましょう!
この例のように、あがり症がどのような形で表れるかは人それぞれ違います。
そして、その改善方法も人によって異なります。
それを自分一人で認識して改善することは、なかなかできないものです。
日本話し方センターのベーシックコースや2日間集中コースでは、話し方のプロである講師が、参加された方それぞれの特性に応じて、適切にアドバイス、ご指導をしています。
人前で緊張してしまう、という方はぜひご参加ください!